鉈尾 ばけ(PN)さん

マンガ家
「Trifle by 花とゆめ」にて『泣き顔ばっか撮らないで』を連載中
限られたページ数で自分が何を伝えるか、
どうしたら伝えられるかを考える経験は、
プロになってからも活きています。

卒業後はどんな仕事をしていますか。

現在はマンガ家として活動しています。
きっかけは幼い頃から絵を描くことが好きだったからですが、もう一つの理由として、新世代マンガコースで4年間マンガを描くために学習したので、その経験を活かし続けたいと思ったからです。
現在は連載を2本並行で企画しています。1本は隔月掲載で20〜40P、もう1本は毎月掲載で20〜30P。
結構大変ですが、息抜きにpixivFANBOX*や創作同人も楽しんでいます。
*pixivFANBOX:ファンが直接クリエイターを支援できるプラットフォーム。
クリエイターは作品公開や、ファンとコミュニケーションをすることができる。

現在のお仕事について、面白さを感じるのはどういった時でしょうか。また逆に、難しさや苦労を感じるのはどんな時でしょうか。

描いた作品を担当さんに褒められた時と、自分の好きな作画が仕上げられた時です。
担当さんとの相性もあると思いますが、基本的に性癖が合致している方なのでネームやプロットのお返しにコメントを書いてくれたりするのを見るとすごく嬉しくなります。
逆に辛い時は、ストーリーのアイデアが浮かばない時です。かなり凝り性なのでプロットの段階で納得がいかない箇所があるとモヤモヤして作業が行き詰まってしまいます。
そういうときはだいたい精神的に余裕がないときか寝不足なので息抜きをしています。
湯船にゆっくり浸かったり、気分転換に外出したりします。ですが、一番大事なのは寝ることだと思ってます。
『泣き顔ばっか撮らないで』第1話トビラ絵

学生時代の学びや経験が、今の仕事に活きていると感じるのはどういった時でしょうか。

授業の中で4〜8ページの漫画を描く課題があるのですが、限られたページ数で自分が何を伝えたいか、どうすれば伝えられるかを考えた経験は、プロになってからも活きています。
あとは、先生に厳しい指導をいただくと悔しくて、いつか見返してやると思いながら漫画を描いていたのでメンタル面もかなり鍛えられたと思います。もちろん褒め上手な先生たちもいて、モチベーションを支えてもらいました。

進学先に新世代マンガコースを選んだ理由を教えてください。

高校時代から絵を描くことしか興味がなかったので元々は専門学校に通うつもりだったのですが、父から「だったら美大行った方が良くない?」と言われたことと、オープンキャンパスで先生に作品を見せて「これなら合格圏内だよ」と言われたことが決め手です。
どのコースを受験するか悩みましたが、マンガは小学6年生のときから描いていて、イラストよりマンガを描く方が好きだったこともあり新世代マンガコースに決めました。

印象に残っている授業や、自分の実力が大きく伸びたと感じる課題があれば教えてください。

3年になるとゼミが始まるのですが、その時期が自分にとって一番の成長期でした。
担当の先生がめちゃくちゃ明るくて何でも褒めてくれる人だったので(もちろんコツや改善点も教えてくれました!)画力もアイデア力もかなり身についたと思います。

学生時代に取り組んだことで、強く印象に残っていることがあれば教えてください。

やっぱり卒業展示の準備が一番記憶に残っています。新世代マンガコースでは卒業制作の展示を学生自身が企画して、必要な準備を行います。
私は学年全員の卒業制作をまとめた本を制作する編集班にいたのですが、皆が初めてやることを手さぐり状態でやっていたのですごく大変でした。計画性と協調性の大事さを学ぶことができました。

新世代マンガコースを受験しようと思っている高校生へメッセージをお願いします。

高校生のときは絵を描いてる人が周りにいなかったのですが、大学でいろんなレベルの人と同じ空間で学ぶことができて、みんなの作品と見比べることで自分の作品の強みや弱点を客観視することができました。
自分の絵に自信が無かったり、将来が不安だと感じることがあると思います。でも、今足りないと感じている部分は新世代マンガコースで学べます。
マンガ家になりたい!と思っている人は必ず教えてもらったことを活かせるはずなので、頑張ってください。
interviewer 新世代マンガコース

プロフィール

鉈尾 ばけ(なたお・ばけ)

京都精華大学新世代マンガコース卒業。
在学中にTrifle by 花とゆめ BLマンガコンテストでの受賞をきっかけにプロデビューを目指す。
大学卒業後に執筆した『臆病な俺の先輩』がキャラクター造形や巧みなカメラワークで評価され、G-Lish10周年創作BLマンガ大賞で優秀賞を受賞。
その後、「Trifle by 花とゆめ」にて『泣き顔ばっか撮らないで』で連載デビュー。現在も精力的に作品制作を続けている。
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